その根っこ捨てないで!

 ラーメンや納豆に欠かせない「ねぎ」ですが、畑で引っこ抜いて来て食べた実家を思い出します。実家ではねぎや大根、それに枝豆まで産地直送・・・と言うか、畑直送でした。
 実家ではねぎを栽培する時に種を蒔き、そこから「ねぎ苗」を作っていました。種蒔き後、しばらく経過すると髪の毛程の芽が出てきます。それを霧吹きなどで水を与え、可愛がって育てるとやっと爪楊枝ほどになります。そしてその苗が割り箸程になれば今度は畑に植えます。
 畑に植えられたねぎは何度か土を寄せられて「曲がりねぎ」となり、近所の直売所に卸していました。卸し以外は当然自家使用です。
 収穫したてのねぎはとても甘いので、安心してこれも自家製の納豆と混ぜて食べていましたが、ある時に親に言われた事があります。
 それは私が中学生になり、包丁も使えるようになり始めの頃の話です。朝、普通に納豆を食べるので手伝いのつもりでねぎを刻みました。雑とはいえ食べられる程度に刻んだのですがその後、根っこをゴミ箱にぽいっと捨てました。その時に「根っこは勿体無いから捨てるな」と言われました。
 私は「何でなんだろう?もう食べるところ無いのに?」と不思議で居ましたが、朝食のあと畑に着いて来いと言われました。すると朝食の時に使ったねぎの根っこを畑に植え始めました。
「こうしておくと何度でも収穫できるんだよ」と言われ、その畝の先を見ると手前から向こう側へお行儀がいいように段々と伸びているねぎが見えました。毎日使った分、根っこを植えているので奥の方は既に元通りのねぎに成長していました。
 種から育てているのでねぎが可愛いと言います。私もなんとなく親の気持ちが解りました。